今も仕事を3K(経験、勘、気持ち)でやっている人向けの処方箋

本が処方箋

今回紹介する本は、これまで仕事のなんとなく「こんな感じ」で進めてきて大丈夫だったのに最近それでは上手くいかなくなった症状が出た人に対する処方箋です

タイトル:「それちょっと、数字で説明してくれる?と言われて困らないできる人のデータ・統計術」

著者:柏木吉基

出版:SBクリエイティブ株式会社

おすすめポイント:伝えたいメッセージを「数字」を交えた論理的で説得力のある資料で表現し、人を動かす方法を習得できます

対象者

前任者から引き継いだ資料作りで報告や提案を行うが、思い通りの結果を導き出せないと悩んでいる人が対象です

資料作りになんの問題も感じない、もしくはそもそも課題解決などに興味がない人は対象になりません

症状

ジョブ型でない日本の会社や組織では、仕事のやり方や資料作りは前任者から引き継ぐことが通常です

大きい組織になればなるほどこれまでのやり方を担当者の独断で変えることは難しいと思います

一方でこれからの課題に対して、解決策を提案する時にこれまでの資料では説得力が乏しいことも私たちは気付いています

つまり今の資料作りが単なる「データ整理」であり、社会人が必要な「データ分析」ではないことに気づいてないことが最大の症状です

効能

この本は、報告や提案の大前提が「組織を動かすこと」だということに気付かされます

何となくその場にあるデータを従前の資料に落とし込んで報告することに慣れてしまい、そこにあるメッセージも3K「経験」「勘」「気持ち」でなんの根拠もなく伝えている現状を変える必要があります

重要なのはデータ分析に入る前に「意味あるデータ分析をするためにどう考えるか」という点です

例えば、手元のデータから今月の売上は前月より下がっているなどの課題が浮かび上がりますが、その要因が何なのかはすぐにはわかりません

季節要因なのか、競合他社に負けたのかなどの仮説を立てて、さらにデータ分析をする必要があります

この仮説を立ててデータを収集し、分析をすることが重要なのです

一般的なビジネスのデータ分析では、学術的なデータ分析は必要ありません

「平均」「標準偏差」「相関関数」などの実務的なデータ分析のスキルで十分対応できます

副作用

この本はロジカルシンキングを養うことができ、非常に有用です

ただしエクセルなどのソフトを利用する人はその操作スキルを一定以上持ってないとせっかく出来るようになったデータ分析の結果をわかりやすく伝えるのが難しいでしょう

グラフを作ることに時間が掛かって、せっかくの深く考える時間が足りなくなってはもったいないです

この本を読むと同時にエクセルのスキル本(特にグラフ)を読むことをお勧めします

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