文系でちょっと数字を使える人向けの処方箋

本が処方箋

今回紹介する本は、文系で数字を使えるけどちょっと納得できない、もっとうまく使いたい症状の人に対する処方箋です

タイトル:「仕事で数字を使うって、こういうことです。」

著者:深沢慎太郎

出版:日本実業出版社

おすすめポイント:ストーリー仕立てなので、読みやすくイラストも分かりやすい

対象者

文系(どちらかと言うと理論派というよりは、感覚派の人は総じてこのタイプ)と言われる人だが、決して論理的思考が不得意ではなく数字を扱える(もしくは数字を扱う仕事についている)人が対象者となります

理系の人は、この本に書いてあることは「常識だ」「簡単すぎる」との思い込みがあり素直に受け入れられないと思うので、薬で例えると「体質に合わない」ため除外します

また数字が全く苦手な文系(もしくは芸術系)の人はこのレベルでも「なるほど」「そういうことか!」という本当の理解が難しいと思うため除外します

症状

この対象者の症状は、仕事で「前月比」「前年比」といった数字は扱っている

毎日が紙の日報の数字をエクセルに転記するだけで成長を感じられない

実績の数字を毎月報告しているが、それになんの意味があるのかよく分からない

もっと内容のある報告で会社に貢献したいという思いがあるが、その方法がわからないなどがあります

効能

この本は、計算方法を知る目的ではなく、数字の意味(シンプルに言うと比較するときの考え方や注意点)を教えてくれる「処方箋」だと思います

「前月比」「前年比」が同じ条件で比較されているなら意味があるけど、前提条件が違うとその比較は意味をなさないことを認識する必要があります

単純に「平均」と比較しても、平均の算出方法や元データが異なるとその「平均」に疑問符が付くことを教えてくれます

そして最大の薬効は、経験や直感で話してきたことを数字を基にした会話に変えてくれる「数会話」の実践です

読み終わったら、「数会話」を即実践してください

やればやるほどこの本に書いてあることが定着し、成長に結びつきます

副作用

数字を使いグラフ混じりの見栄えの良い資料を作ると、「完璧」と自信を持って報告できます

しかし数字を根拠に作った意思決定の案もその他の要素により、ズレが起きたり、決まらなかったりします

常に計画やプランには、「仮説」「事情」の部分が入ってくいるからです

数字を使うのは、経験や直感で決めていた「予想」を根拠を持った「予測」に変えていくためです

「予測」は、経験や直感で決めていた「予想」を数字で裏付けを取って補強したものであるべきです

だから数字だけを見て意思決定をしては、せっかくの経験や直感を無駄にしてしまいます

これが副作用だと思います

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