今回紹介する本は、タイパが悪い、コスパが悪い仕事はムダと考えるが結局は全体の効率化が出来ない症状の人に対する処方箋です
タイトル:「トヨタの段取り」
著者:㈱OJTソリューションズ
出版:KADOKAWA
おすすめポイント:トヨタ出身のトレーナーたちが世界有数の生産性を誇る段取りを中心とした改善方法を載せています
対象者
この仕事はタイパが悪いからしたくない、上司に教えられたやり方はコスパが悪いと思いながらやるしかないと悩んでいる人が対象です
仕事は効率が悪くても残業がなければOKという人は対象になりません
症状
対象者は自分の仕事をどう効率良くやるか、つまりタイパやコスパが良い方法を意識しているが「手段」ばかりを考えて、「目的」を考えるレベルに達していません
だから「こうやったらタイパが良いのに」「こうすればコスパが良くなる」と周りに伝えても一向に聞いてもらえません
自分の仕事の効率は良くなっても、次工程の人の負担が増えたり、待ち時間が長くなって不満が貯まることに問題があるのです
効能
一般的な段取りの効果は「ムダをなくす」「スピードを上げる」「計画通りに進める」がありますが、トヨタの段取りは「仕事の付加価値を高める」「ベストタイミングで仕事を終わらせる」「問題点を見つけ、仕事の質を高める」というレベルまで達することが出来ると教えてくれます
普通このような仕事の効率化を指導する本は現状の仕事を分析してその見直しをするような事が多いですが、この本は工程をいくつの型に分類し「なくせるものはなくす」まで考えるよう伝えています
究極の時短の方法は、自分の仕事をなくすことです
仕事がなくなっても品質やサービスが保たれれば、全体のスピードは必ずアップします
自部門を守るために広がった業務がどれだけあるか意識してみる必要を感じさせます
副作用
この本はトヨタが実践している段取りを用語や目的とともにわかりやすく教えてくれます
「ジャスト・イン・タイム」「カイゼン」「横展」など製造業では一般化した用語はたくさんあります
しかしその用語ややり方を導入しただけでは生産効率化は思ったほど伸びないのは明白です
なぜならば、導入した企業が「トヨタ」と同じくらい生産性を向上させたという話は殆ど聞かないからです
やはりこの段取りを実際に実行するのは現場(ライン・スタッフ含め)の人であり、その方たちへの教育と成長が伴わない限り、この生産方式は無意味なものとなります
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