今回紹介する本は、現代の色々な悩みやストレスに疲れてしまってどうすればそこから抜け出せるかわからない症状の人に対する処方箋です
タイトル:「反応しない練習」
著者:草薙龍瞬
出版:KADOKAWA
おすすめポイント:宗教になる前の「ブッダの考え」に基づいて、実用的で合理的な解決法を教えてくれます
対象者
SNSばかりが気になりずっと見ている、日常の出来事にイライラが溜まってしまう人が対象です
怒りやイライラをエネルギーに変えて仕事をするタイプの人は対象になりません
症状
仕事や人間関係の悩みはどんな人にもあると思います
その悩みに直面した時、人は「闘おう」として不愉快な相手、ままならない現実に真っ向から向き合ってなんとか変えよう、打ち負かそうともがき苦しみます
苦しみの原因はその眼の前の問題に対し、「戦って勝とう」と反応することです
そしてこの反応するという行為は永遠に続くのが厄介です
効能
元々の「ブッダの考え」は宗教的ではなく、現実的で現代の心理学や哲学のようです
だからこの本を読んでも宗教臭さがありません
心の問題は難しく色々な原因があると考えられますが、それらもシンプルに考えると「反応する」という行為が原因であるとわかります
これに気づき、「今反応しているな」と言葉にするだけでも気が楽になります
次に心の状態を「きちんと見る」ことは、非常に有効なスキルです
「緊張しているな」「疲れているな」と心の状態を客観的に見つめ、言葉にすることで眼の前の問題に過剰な反応をしなくなります
自分だけの問題ではなく相手がいる問題については、ほとんどがその人に対する「記憶」に反応しているということです
だから相手をいつも「初めて会った人」と考えることで「記憶」に対する反応を無くせます
副作用
この本の著者は僧侶なので、当然ブッダの言葉が多く載せられています
それらの言葉は言い回しが現代の言葉とは違うので、理解しにくいかもしれません
しかしそこを我慢してじっくり読まないと、現実的で深い理解を得ることができません
書いてあることはシンプルですが、自分のことは自分が一番良く知っているとの思い込みで素直に実践することが難しいです
例えば心の状態を「きちんと見る」ことなどは、最初は独り言ではっきり言って初めて自分の状態に気がつくことが出来ると思います
二千五百年の叡智は、そう簡単に手に入るものではないのです
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