今回紹介する本は、学生時代はそこそこ優秀でその時の勉強法を社会人になってもやってしまっている症状の人に対する処方箋です
タイトル:「極アウトプット」※極はエッセンシャルと読む
著者:樺沢紫苑
出版:小学館
おすすめポイント:自称、「日本一アウトプットをする精神科医」が中高生向けにわかりやすく自己成長する方法を伝えています
中高生向けですが、その内容は社会人のほうが現実的に感じられるかもしれません
対象者
学生時代にあまり勉強していない人は、圧倒的にインプットが足りてないのでこの本が想定している人には当てはまりません
むしろ学生時代のインプット一辺倒の勉強法でそこそこの成績を修めた人が対象者になります
なぜなら、インプット一辺倒の勉強法でそこそこ上位を保っていたのでその成功体験が忘れられず、社会人になっても同じ勉強法を続けてしまい、壁にぶち当たっている人が多いからです
そこそこ上位の人以外のトップの人はどうでしょう?
トップの人の勉強法は、インプット一辺倒ではないと思います
勉強の目的やゴールをちゃんと理解し、勉強法を工夫して圧倒的成績を修めているので対象とはなりません
症状
インプット一辺倒の勉強法をしてきた人は、「話す」という最も身近なアウトプットでも苦手意識を持っているという症状があります
誰かにお菓子をもらって美味しいと思っても「美味しい」と言わなければその誰かには伝わらず、「美味しくなかったかな」と思われるかもしれません
つまり「言わなきゃ伝わらない」のです
次に「書く」というアウトプットも苦手にしている人が多いようです
「読む」ことは出来るのにそこに自分の考えを加えて「書く」作業をしようとすると苦しむ人が多いのです
これは学校時代に読書感想文くらいしか「書き方」を習っていないので独学になってしまい、差がついてしまっているからだと思います
最後は「行動する」です
行動しない人、できない人は基本的に「快適領域」から出られない人です
つまり自分の縄張りから出なければ安全と感じる生物学的な本能です
効能
この本は、著者自身がコミュニケーションが得意ではなかった学生時代から経験値を上げることによって「日本一アウトプットをする精神科医」になるまでの具体例を交えて、アウトプットの重要性を教えてくれる「処方箋」だと思います
インプットとアウトプットの違いは、アウトプットは「運動」であるということ
運動を伴った記憶は、定着しやすく外部に発せられるのでフィードバックを得ることが出来ることが重要です
最初のアウトプットは「話す」が良いでしょう
できれば自分の趣味や好きなことを結びつけたサークルなどのゆるい集まりを選べば続けられると思います(著者も好きな映画サークルでの発表が経験値を積む場になったと書いています)
次のアウトプットは「書く」ですが、私達のコミュニケーションがリアルからネットへ大きくシフトしている現代は「書く」というアウトプットがより重要になっています
「書く」という作業は、頭の中を一旦取り出してきれいに整理していくことなのでこのトレーニングを続けることで頭の中を整理して考えをまとめる思考力のトレーニングになります
最後のアウトプットは「行動する」です
行動しない人、できない人は、最初は「感謝」と「親切」だけ心掛けてみれば良いでしょう
お菓子をもらったら、「これ美味しいですね、ありがとう」と感謝を伝える
困っている人がいたら、「大丈夫ですか?」と声がけする(実際に助けられなくてもOK)
副作用
この本に書いてあることを全て実行するのは、無理だと思います
特にこれまでインプット一辺倒の勉強法を続けてきた人にはハードルが高いと思います
「アウトプットが大事だ」というインプットをしただけという事態に陥るのが落ちでしょう
なので書いてあることの中から今日から出来ることを選んで地道にやってみてください
ただしアウトプットの黄金法則(インプット3:アウトプット7)を絶対に守って、インプットしたことは必ずアウトプットする気持ちを忘れないでください
少しのアウトプットで自分はアウトプットできていると勘違いするのが副作用だと思います
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