神社でクラシック、ありかも?!

スピンオフ

妻

友達家の近くの神社でクラシックコンサートがあるらしいんやけど、聴きに行く?

夫

行く行く、前に市民コンサート聴きに行って良かったもんね

妻

3月15日の15時30分開演

夫

楽しみやね

当日は冷たい雨と強風、初めて訪れた一宮神社の参道へ傘を差して入った

友人夫妻と一緒に太鼓橋を渡ると本殿に行く途中に古代祭場跡・磐境があると教えてもらった

古事記に出てくる大変有名な史跡らして興味があるが今回は良い席を確保するため、素通りして本殿へ

到着した本殿前に禰宜(ねぎ)が立って案内している

後で聞くと今回の演者と中高校の同級生とのことだった

案内された拝殿はいわゆる安全祈願や厄除けなどのお祓いを受ける場所

賽銭箱の横からスリッパに履き替えて中に入った

中は当然のごとく正面に鏡があり、太鼓もある

普段はお祓いを受ける人が座るだろう場所にパイプ椅子が50脚ほど並んでいる

通常行われるであろうホールなどに比べると圧倒的に狭い

ここでクラシックのコンサートが行われると思うと不思議な気がした

入口で渡されたパンフレットを見ると今日の演目と演者の経歴が書かれていた

モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク

ヴィヴァルディ/四季

ピアソラ/ブエノスアイレスの四季より冬

楽器はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス

後ろの扉が開くたびに冷たい風が吹き込んで寒さを感じながら待っていると先ほど入口にいた禰宜がマイクを持ってステージに

今日のコンサートの音楽監督兼ヴァイオリンの中村太地さんとは中高校の同級生であり、その縁でこの神社で演奏してもらうことになったと説明があった

さらに中村さんが弾いているヴァイオリンがグァルネリウスの名器で23億円、掛けている保険だけで年間600万円掛かるという素人には想像もできない話だった

定刻になって演者がステージに

1曲目のモーツァルトは聞き馴染みある曲

しかしいつもと違うのは、その臨場感

演者から近い席でわずか2メートルの距離、私達が座った席からでも5メートルと離れていない

ヴァイオリンやチェロすべての楽器から振動が身体に伝わる

和太鼓の演奏などで振動を感じたことはこれまであったが、まさかヴァイオリンがここまで身体に響くものだとは知らなかった

1曲目が終わって盛大な拍手が起こった

ほとんどの聴衆も同じ感想を持ったのではないだろうか?

2曲目からメインの中村さんが真ん中に入り、ヴィヴァルディを弾き始めた

正直23億円という値段を聞いたこともあると思うが音が素晴らしいと感じた

普段テレビなどで聞く高額ヴァイオリンの音とは聞こえ方が全然違った

高く軽やかな音、激しく低い音、ささやくような悲しい音、一つの楽器でこんなにも色々な音が出せるんだなと驚いた

春に始まり、夏、秋と続く曲に合わせてヴァイオリンが響く音は千変万化

多分コンサートホールでも感動する演奏は聴けるのだろうが、神社の拝殿で聴くこの演奏は演者の指使いがはっきり見える

本当にどうしたらあんな風に指が動くのだろうと見とれてしまった

指で弦を弾いたり、まるで叩くように弓で激しく弾いたりと音と同時に演者の動きも一つの表現に思えた

3曲目のピアソラの曲はヴィヴァルディの四季をモチーフにして作曲された曲と事前に説明してもらったのでわかったが、確かに途中同じような旋律があって面白かった

アンコールもあって1時間15分ほど、クラシックに不慣れな私にはちょうど良い長さで楽しさが減ることはなかった

演奏後にCD販売があったので購入、「これ好きだ」「これ良いね」というものには躊躇せずお金を出せるようになったのはちょっと大人になったと我ながら感心

その後冷えた身体を友人夫妻宅で温めさせてもらって、お茶・お菓子まで頂いて本当に感謝

二人とも生き返って家路に就いた

妻

距離が近くて臨場感すごかったね

夫

本当、また来たいね

コメント

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