ワガママに生きられない中高年向けの処方箋

本が処方箋

今回紹介する本は、60歳前後になって人生をどう生きればよいかわからない、楽しみより不安が勝ってしまう人に対する処方箋です

タイトル:「60歳からはやりたい放題[実践編]」

著者:和田秀樹

出版:扶桑社

おすすめポイント:長年高齢者医療に携わっている医師として健康問題を軸に「60代は人生を一番アクティブに楽しむ年代」として生きるための60個のコツを具体的にそしてポジティブに教えてくれます

対象者

毎年健康診断を受け、悪い所があれば医師の処方通り薬を服用する真面目な人

TVなどの健康番組で仕入れた情報に従って塩分やコレステロールのとり過ぎに注意して高血圧や肥満にならないように努力している人が対象です

または身体的には健康でも仕事をリタイアし、何をしたらよいかわからないような人も対象です

症状

対象者は健康診断や医師の診断を疑わず、ストレスがあってもその指導に従ってしまいます

「高血圧」と言われれば減塩してギリギリまで塩分摂取量を抑えてしまい「低ナトリウム血症」に陥ってしまいます

また「肥満気味」と言われると糖質オフダイエットをして炭水化物を制限して過度に行い「低血糖」になってしまい、人間の活動に必要なエネルギーと幸福感が不足し負の悪循環にハマってしまいます

他にも「コレステロール」が高いと言われれば肉類を避け野菜中心の食事ばかり取ってしまう傾向にあります

その他にも心の面ではTVやマスコミで流れる高齢者=「老害」のような論調や若い人のほうが活動的で柔軟性がある考え方ができると言った認識をそのまま受け入れてしまっています

これまで仕事一筋で「趣味」や「遊び」も仕事のためだったという人もいます

このような人は仕事を退くと何をしたらよいかがわからなくなってしまいます

効能

健康診断や医師の診断が医学的には正しいけど患者にとっては必ずしも正しくないことをこの本は伝えてくれます

最も重要だと思うのは筆者が語っている「食事の我慢は脳を老化へ導く」ことと「食生活の我慢がもたらす免疫機能の低下」です

「コレステロールが悪い」という風潮は欧米の研究が基になっており、欧米に比べると4分の1しか心筋梗塞で亡くなる方がいない日本ではコレステロールを悪者にする必要はないと言っています

さらにコレステロールは免疫細胞の材料になる上、幸せホルモンである「セロトニン」を運ぶ役割も果たしているかわいいやつで、決して悪者ではないのです

健康診断の結果を気にし過ぎてストレスになっている人もいるようですが、これらの診断結果で医学的に根拠があるのは5項目くらいと書かれています

これと似た話で検査結果の数値は使う試薬(製薬会社)によって異なると言われています

というのも試薬の基準となる数値は広く集めたデータを基にしているのではなく、製薬会社内の限られたデータ(つまり社員)を基にして作成されているらしいです

その他精神科医としての視点と自身の親の介護の経験を踏まえ、60代になったこれからの方が人生を楽しめることを力強く教えてくれます

副作用

これをやったら、必ず成功するという保証はありません

周りの人に読んだことを伝えても「それは間違っている」と指摘されるかもしれません

思いもかけない病気や怪我で立ち直れないくらい落ち込むことがあるかもしれません

しかし亡くなる前に「これまでの人生で後悔することがありますか?」と質問するとほとんどの人が

「やりたいことをやっておけば良かった」と答えるそうです

あなたの「やりたいこと」は

美味しいけど体に良くないと言われるごちそうを食べる

死ぬときは貯金ゼロまでお金を使って思いっきり楽しいことをやる

どちらですか?

どちらも中々勇気がいることです

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