今回紹介する本は、ずばり社長として会社を大きく成長させるのを目指すのではなく、社長ひとりで稼ぎたい人に対する処方箋です
タイトル：「ひとり社長の稼ぎ方・仕事のやり方」
著者：一圓克彦
出版：明日香出版社
おすすめポイント：飲食店、システム開発、デザインなど多くの会社を起業し、１５０億円規模の会社の経営者の地位を捨ててあえてひとり社長で稼ぐ道を選んだ著者の経験や失敗談を数多く載せて説得力のある仕事の考え方・やり方を紹介してくれます
対象者
フリーランスで働いているが一歩踏み出して社長になりたい人、または今はサラリーマンだが自分の経験や能力を活かして会社を設立したいと考えている人が対象になります
すでに会社の社長だが、上手くいかず規模を縮小してひとり社長で稼ぎたい人も対象です
症状
「社長」という心地よい夢をいつかは叶えたいと思っているが、明確なイメージが沸かない
もしくはチャンスさえあれば、頑張りさえすれば自分も前途洋々の未来があると盲信している状態になっています
漠然としたビジネスモデルを持って、これまでの付き合いの延長で取引してもらえるんじゃないかと勝手に思い込んでいます
一国一城の主として立派な事務所を借り、甘い見込みで大量の在庫を抱えて資金繰りに苦しむ症状になっています
効能
著者の貴重な失敗談や経験から、会社の経営において大事なことを非常に明確に教えてくれます
１つ目は、家賃や在庫などの固定費を極限まで抑えること
これが出来ないと遅から早かれ資金繰りと精神的負担から、廃業や売却に追い込まれます
２つ目は、「売りたい商品」ではなく「売れる商品」を開発すること
これは自分が売りたい商品よりお客が買いたい商品を開発しなければ、買ってもらえないという当然のことに気付かせてくれます
またひとり社長の場合の時間管理術やセルフコントロール術、情報発信術についてもやるべきこと失敗しやすいことを目的を含めて具体的に知ることが出来ます
副作用
著者は謙遜して自分は経営者に向いてない、だからひとり社長で稼いでいると書いていますが年間３００回弱の講演・セミナーを実施し、ブログを１０００本以上書き、毎日のメールマガジンを１６００日も継続していることから非常に優秀な方であることは明白です
だからこの失敗から学び、頑張れば自分もひとり社長として稼げると思うのは危険です
文章中に出てくる会計の「日次決算」は専門家を頼る部分はあるにしても、経営者として最低限必要な知識を広範囲で持っていることの証だと思います
この本を手本にして自分自身を客観的に分析し、経験と知識を積みながら成長することを目指すほうが良いと思います
コメント